MOTになるためには(2002.10.08)
MOTという資格について、ちょっと話してみます。MOTとはMicrosoft Official trainerの略で、現在ではインストラクター向けの資格となっています。
MOTは1990年代前半に作られた資格制度ですが、当初はインストラクター向け、というよりも、販売定員用の資格として存在していました。当時のOSはMS-DOS(エムエスドス)の時代で、ワープロソフトは一太郎、表計算ソフトはLotus1-2-3(ロータスワンツースリー)が主流を占めていて、まだWordやExcelは主流ではなかったのです。そこで、店頭で売る販売員にWindowsやWordやExcelの知識をつけさせ、説明することによって販売していくために店舗に最低2名以上のMOTを必要とする、といった戦略をMicrosoft社は行なったのです。
ところが、1995年にWindows95が発表される(※参照)頃になって、パソコンスクール等に勤めているインストラクターがMOTの取得をしはじめたのですね。OSがMS-DOSからWindowsに変わっていくさまをみて、WordやExcelの時代になると予想し。
その結果、Microsoft社はMOTをインストラクター向けの資格として、MSSを販売員向けの資格として切り分けたのです。
ですから、1996年からの新MOT資格は、実際に教える、という科目が増えて、合格率も下がっていき、インストラクターを育てるトレーナー資格としてその存在感を与えることになったのです。
しかし、教えるというインストラクションの科目の採点は客観的にできず、どうしても採点する側の主観が入るため、全国で不平等が発生したため、2001年からの新MOT資格では、インストラクション科目の試験がなくなり、Train
the Trainer for MOTというトレーナーとして活躍するにあたっての基礎知識、マナーをはじめとするトレーナー向けの講座(1日〜3日間)を受講するだけでMOT資格を取得することができるようになったのです。
(札幌では2日間受講料80,000円がまだ主流ですが、東京では2日間講座50,000円で行なっているスクールもあるようです。)
ただし、それ以外にMOUS試験の一般資格と上級資格を合格し、なおかつ、各タスクの正解率が50%以上である必要があります。さらに、知識試験にあたるMOT
Essentialsに合格していなければなりません。
それらの3項目を満たして、申請をすればMOTになれるようになりました。
また、科目はWordでもExcelでも、1科目でも満たしていればMOTとして認定されるので、1996年から2000年の頃に取得しようとしたMOT資格からはかなり容易になっています。
とはいっても、そんなに簡単には取得できませんので、コツコツと勉強されることをオススメします。
当然、資格をとったとしても、実践の方が優先されるわけですので、合格後も日々勉強されることをオススメしますが。(資格があってもしょうがない、という意味ではなく、実践力・応用力のベースに資格があるという意味です。)
資格を持っていない方が、「資格をとっても意味ないから」と言っても説得力がありません。実力があるのであれば、まず、資格を取得した上で、そういったことを言ってみてはいかかでしょうか。
※ 1995年になると、Microsoft Windows95が発表されます。Windows95はWindows3.1の後継OSで、パソコンの普及に多大な貢献をすることになります。
Windowsは、MS-DOS上にGUIを提供することを目的として開発されたもので、Windowsの原型ともいえる Windows1.0
は1983年に発売されています。しかし、Windows1.0はMacintoshのGUIなどと比べると桁外れに劣っていました。
当時 8086 などのCPUでは、Windowsを動かす為には力不足だったためです。
1987年には、ウインドウを重ね合わせることが出来る Windows2.0 を発表。しかし、Macintoshの見かけと使い勝手をコピーしていると訴えられ、Windowsの足を引っ張りました。
その後、1990年になってWindows3.0を発表。日本では 1993年の Windows3.1 によって、広く普及しました。